ロルフィング®というと、筋膜、筋膜リリースと連想される方もいるかもしれません。
アイダ・ロルフ博士が、身体の中に存在する筋肉を包む膜である筋膜に注目したことで、ロルフィングというストラクチュラル・インテグレーション(身体統合)というメソッドは生まれました。
カイロプラクティックは、骨、骨格の歪みに注目して施術を行っていますが、骨格の歪みや骨の位置を決めているのは、筋肉でもあります。
骨は、その骨についている筋肉に引っ張られることによりその位置、骨格というものが決定されています。
骨の位置を変えてみても、筋肉に引っ張られてしまえば、骨はまた元の位置に戻ってしまいます。
逆に言えば、筋肉を包む筋膜をリリースして調整することで、筋肉に引っ張られている骨の位置は変わり、骨格が変わり、姿勢も変わっていきます。
そう考えると、長く楽な姿勢を保つためには、筋膜をリリースして調整することが、姿勢を変える近道だとも言えます。
筋膜に注目したアイダ・ロルフ博士ですが、ただ筋膜をリリースすることがロルフィングだという教えはしていません。
筋膜リリース=ロルフィングと考えられる方もいますが、ロルフィングはクライアントの方の全体性を大切にしています。
身体の一部分の筋膜のリリースをすることだけではロルフィングではありません。 その方の全身、動き方、知覚の部分も含めて施術することがロルフィングと言えます。
筋膜に話を戻しましょう。
筋膜は、筋肉を包む膜ですが、イメージしやすいのは、サラミソーセージとそれを包むビニールやセロファンでしょう。
サラミソーセージが筋肉、ビニールやセロファンが筋膜です。
上腕二頭筋、上腕三頭筋、腹直筋、ひらめ筋、脊柱起立筋・・・良く聞いたことのある筋肉が沢山あると思いますが、これらの筋肉は、1つの筋肉ではありません。
それぞれの筋肉は、細かいサラミソーセージが沢山固まって、名前のついた筋肉となっています。
細かい筋肉は、それぞれビニールやセロファンのような筋膜に包まれています。 筋膜に圧を加えたり、滑らせることで、固まっていた筋膜はリリースし始めます。
肉離れなどの怪我をしたことのある方は分かると思いますが、筋肉の組織が微細であっても切れたり、断裂することは、切れた組織が固くなりやすく、放っておくと、その筋膜は短くなりがちです。 また、同じような動き方を繰り返すことで、それが癖となり、筋膜が固まることになります。 怪我の経験のある方は、定期的に筋膜をほぐしたり、ロルフィングのようなボディワークを受けることが大切になってきます。 筋膜を短いままにしておくと、それが新たな歪みの原因になり、怪我もしやすくなります。
私も両足のふくらはぎに肉離れの経験があるため、バランスが悪い、動き方に違和感があるという感じが出てきた時は、そろそろセッションを受ける時期が来たと思い、ロルフィングを受けに行きます。
蛇足ですが、私のようにふくらはぎに肉離れを起こした場合、肉離れで切れた筋肉のあたりに靴下のゴム口の部分が来ないようにすると良いと思います。
ゴムの部分が怪我した瘢痕の所に当たると、ちょうど筋膜が途切れた所にぶつかり、その途切れた感覚を助長してしまいます。
出来れば、ハイソックスなどを履かれると良いでしょう。
ロルフィングは筋膜の調整だけではなく、知覚に働きかけたり、様々な方法でクライアントの方が楽に動けるようにセッションを行っていきますが、アイダ・ロルフ博士が最初に筋膜に注目してこのボディワークを作ったことは素晴らしいことだと本当に思います。