先日、日本ロルフィング協会主催のワークショップに参加してきました。

今回のワークショップはロルファー向けのものだったので、参加者はロルファーオンリーです。

講師は、武道界では有名な「日野晃」先生です。

日野晃先生、一体どんな方だろう~とドキドキしながら、参加しました。

日野晃先生は、若い頃はドラマーとしてご活躍されていたそうで、経歴をお聞きすると、とてもユニークです。
ドラマーとしてお仕事された後は、日本の武道界で活躍されています。
最近では、ドイツを拠点としているウィリアム・フォーサイスのカンパニーでも指導を行っています。

実際にお会いしてみたら、とってもフレンドリーで暖かい方でした。

今回のワークショップでは、実技はそれほど多くやりませんでしたが、色々なお話が聞けました。

中でもいくつか心に残った言葉がありました。

「武道は関係性である」

「自分を信じていない。信じているのは関係性。」

「真剣に相手に向き合う」

日野先生は、武道は・・・とおっしゃっていましたが、私は、「武道=世の中の全てのもの」は関係性であるだと思いました。

関係性が変化すると、身体の安定感も変わるということも、実際に体験しました。

日野先生のブログを見ると、関係性は「無意識的な相互におけるエネルギーの混ざり合い」と書かれています。

部屋の中で、座っていた人が立っただけでも、その場のエネルギーが変化し、それまであった安定性が崩れていました。 不思議です。

風水でも、多くのガラクタに囲まれていると物にエネルギー取られてしまうと言われていますが、物でも人でも、自分の周りの存在がエネルギーであり、そのものたちとのエネルギーの混ざり合いが関係性なんですね。

日野先生は、ご自分の事は信じていなくて、信じているのは関係性だそうです。 ご自分を演者や役者とおっしゃっていたのが印象的でした。
これは、自分が自分が・・・と自分主体で考えるのではなくて、その時々に入ってくるものを受け入れて、入ってくるのを待つともおっしゃっていました。

私のロルフィング®・セッションでも、表層の筋肉を使って動いてほしくない時、誰かに何かやってもらっていると想像して動いてもらう時があります。
自分主体で動くと、思い切り表面の筋肉を使ってしまうので、日野晃先生の外からの力を受け入れる的意識の持っていき方には、近いものを感じました。

真剣に相手に向き合うこと・・・これは、現代社会においては、なかなか難しいです。 みんな、本音を言わず、本当のことも言いません。
人が生きていく上で、人間関係を大事にしたい時、常に本当のことを言っていたら、やはり気まずくなったりすることもあるかもしれません。
優しい嘘も、相手を思えば・・という時もあります。

ただ、武道の世界においては、やはり真剣に相手に向き合うことは大事なんですね。
自分の周りに壁を作らず、常にニュートラルで、相手と真剣に向き合う。 これが出来たら、とっても強いと思うんですが、なかなか難しい。
私の場合、自分が傷つかない為、自分を防御する為に、壁を作る時もあると思っています。
本当に強い人は、傷つくことも怖くないので、オープンですよね。 このオープンな状態で、人に接することが出来たら本当良いと思います。

実際の実技を受けてみて、日野晃先生にやってもらうと、無理が全然なくて、風のようで、自然に素直に動くことができました。
この相手に対する姿勢は、医療従事者も私たちのようなボディワーカーにもとても必要なことだと思います。

今回のワークショップは、2時間位の短いものだったので、もっともっとお話しが聞きたかったと思いました。

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