アドバンスロルファーの千景です。

10月の半ばまで、ロルフィングのインストラクターでもあるジョナサン・マーティン(Jonathan Martine)先生の神経筋膜モビライゼーションのワークショップ Part 2に参加していました。 昨年、このワークショップのPart 1にも参加しました。

今回のワークショップでは、Part 1で習ったことを更に深く掘り下げ、新しい情報も沢山教えてもらいました。

私達ロルファー™は、筋肉に付いている膜、筋筋膜へのアプローチは日ごろから行っています。
ただ、筋膜と言っても、筋膜は筋肉だけでなく、神経や血管にもあります。

皮膚にも神経は存在し、筋肉にも神経は存在します。
神経がある所には、血管があり、皮膚のレベルで制限があると、血管にも影響が出ます。

制限があることで、血管にも影響があるということは、脳にその影響は危険であるということが信号として送られます。

筋肉にある筋膜、筋筋膜だけをターゲットにセッションすることも出来ますが、同じ所に存在する神経や血管も考えてワークすると、身体全体の統合がよりスムーズで、効果が大きいように思います。

「ヒルトンの法則」によると、皮膚レベルの神経や血管に制限があると、身体は構造を固めて守ろうとするそうです。

強めの圧で行うマッサージや整体も効果があると思いますが、表層の皮膚を緩めて、神経や血管の筋膜をリリースするという繊細なワークでも、身体は充分に変わります。
皮膚には、感覚受容機としてルフィニ終末やパチニ小体といった固有受容性神経終末があります。

これらの受容器が、非侵害受容を脳に安全であることを信号として伝えます。
脳にあるマッピングがこの繊細な刺激で書き換えられます。

昔のロルフィングは強めの圧でワークすることで、構造を変えていくものでしたが、今は、繊細な軽いタッチでも身体は十分に変わっていくことが分かっています。
これらは、この神経終末の存在を考えれば、とても理にかなったことですね。

今回のジョンのワークショップでは、神経や血管を解剖学的に細かく見て、そこにインテンション(意図)をきちんともってワークしていくことを学びました。
今まで無意識だった構造に対して、意図をもって見ていくことで、身体は変わります。

ジョンの実際のタッチは、本当にクライアントを侵害しないもので、大きなしっかりした手でも、全くこちらに嫌な感じや痛いという感じがありませんでした。
こういうタッチは、受ける側にとても安心感を与えます。

今回のワークショップは受けて、セッションしての繰り返しだったので、自分自身の身体もかなりオーバーワーク気味でしたが、とても実りの多いものでした。
今回学んだ内容は、今後の自分のワークにも生かしていこうと思います。

jon-ws-2016