東洋医学 ホントのチカラ~科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ~」という番組を見ました。

東洋医学とは

東洋医学とは、東洋を発祥とする伝統医学のことで、西洋医学とは異なる起源をもつため、その範囲も広範囲ですね。
一般的には、中国、日本、韓国、インドなどで発展してきた健康・医学に関する学問と言えます。

私のやっているロルフィングはアメリカ起源のボディワークですが、この東洋医学に通じる部分が多いと思っています。

今回の番組の中では、東洋医学の代表的なものとして、鍼灸、ヨガ、漢方薬が紹介されていました。

鍼灸の鍼は、身体の経絡と呼ばれるエネルギーの通り道上にあるツボに鍼をさすことで、身体を修復していくものですね。
腰痛だった上田さんが、百会(頭のてっぺんにあるツボ)や背中、足に鍼をさしていくと、背骨のゆがみが取れて、
脊柱のラインが真っ直ぐに近づいていました。

 

ツボに鍼をうつと固い筋肉が柔らかくなり、筋肉があるべき位置にもどります。 背骨の回りにある筋肉が
柔らかくなれば、背骨の動きも良くなります。 結果、腰痛の症状が改善されていました。

これはロルフィングの施術で行っている、筋膜の調整を行うことで、あるべき位置に筋肉が戻ることも一緒です。
アプローチする方法は違いますが、同じような効果が出ています。

 

100歳のヨガマスター

仲里依紗さんがニューヨークにいる100歳のヨガマスターのタオさんの所を訪問した場面は、驚異的でした。
タオさんは、8歳でヨガを始めて、50代でヨガのインストラクターになったとか。
つまり、生涯のうち、92年間、ヨガを続けているということですね。すごい。
ただ、ヨガをしていただけでなく、人に教えるという所も脳への良い効果があったと思います。

100歳のタオさん、身体は柔らかく、アーサナ(ヨガのポーズ)もしっかりとれていましたし、頭もクリアー。
タオさんの脳波を計測した所、ヨガをする前よりもヨガをした後の方が、シータ波が沢山でていることが
分かりました。 シータ波が多いほど、集中力、記憶力がアップするそうです。

ヨガの脳への効果を計測した結果では、8週間ヨガを行った人と行わなかった人を比較したところ、
ヨガを行った人の方が、海馬を含む脳の領域で密度の増加が確認されたそうです。
海馬は、脳の記憶や学習能力をつかさどる場所です。
つまり、ヨガにより、脳の神経細胞が増えて、海馬が活性化したということです。
ヨガは、運動だけでなく、脳の運動とも考えられると言われていました。

科学的に海馬などの脳の領域が増加していると裏付けられたのは、興味深いです。
100歳のタオさんがヨガを教えることで、自分自身の健康を保ち、生きがいを持っていきいきと生きているのが
印象的でした。

そしてヨガの良い所、呼吸法と瞑想法。
呼吸をしっかりすることで、身体や脳への酸素が行きわたります。
瞑想法は、最近、流行っているマインドフルネスでも言われていることですが、ストレスを軽減して、心を穏やかにします。
他にも、睡眠障害やガン治療、子供の情緒安定のためにヨガを取り入れている所があり、その効果が出ているようです。

今回の番組ではヨガが取り上げられていましたが、同じ東洋のものとして太極拳も同じ効果があると思います。
ゆっくり動くこと、呼吸を意識すること、続けていると瞑想をしたような落ち着いた気持ちになります。
私は太極拳を行っているのですが、太極拳を始めてから、くよくよすることが少なくなったと思います。
もちろん、動きを覚えないといけないので、脳トレにもなり、脳の海馬も密度が増加していると思います。
太極拳も、健康を保つのにとても良い運動です。

 寿命を延ばす漢方薬

次は漢方薬の紹介。
普段、薬膳教室に通っているので、この辺りの話がとても面白かったです。

漢方薬と西洋薬の違いは、処方の考え方にあります。

西洋薬の場合は、頭痛には頭の薬、胃には胃薬という風に処方されます。
漢方薬の場合は、症状の根本にどこに原因があるかを考えて処方します。

処方の考え方が違うんですね。

薬膳教室では、その人の証(しょう)を出して、その人に合った漢方薬や薬膳料理を出すことが大前提であると教えられています。
ただ、風邪をひいたから葛根湯を飲めば良いというのは、正しくありません。
その人の体質、症状の出方に合わせて、薬やお料理を出さないと、きちんとした効果が出ません。
証を出すのは、とても難しいです。

今回の番組では、具体的な漢方薬として、人参養栄湯六君子湯の二つの漢方薬が紹介されていました。

人参養栄湯(にんじんようえいとう)は、本来、病気のあとに体力が低下したり、疲労感があったり、
食欲が低下したりした人に処方される漢方薬ですが、認知症にも効果があることが最近、分かってきたそうです。
アルツハイマー型認知症の患者20人に12週間、人参養栄湯を飲み続けてもらった所、食事の量が25パーセントアップ、認知機能もアップしてきたそうです。

脳の神経細胞内にある、信号の通り道である軸索(じくさく)に巻きついているミエリンという物質は、信号をスムーズに伝える役割を果たしています。
アルツハイマー病の原因の1つに、このミエリンの減少があるそうですが、人参養栄湯を飲むと、ミエリンの減少を防いで、新たに生み出す効果があるとか。

六君子湯(りっくんしとう)は、胃の調子を整える漢方薬ですが、この漢方薬を飲ませたマウスは、飲ませなかったマウスよりも寿命が長くなったとか。
六君子湯を飲ませたマウスには、サーチュイン遺伝子=長寿遺伝子が増えていたそうです。
長寿遺伝子が増えたことで、老化が防止されたんですね。

お灸で免疫アップ

アフリカでもお灸の効果が出ているそうです。
アフリカのウガンダでは、足三里(膝に手を添えて、手でL字を作り、中指にあるツボ)にお灸をすることを教えて、免疫力のアップをはかっていました。
アフリカでは、結核が猛威をふるっていて、結核の患者さんの補助療法として取り入れられているそうです。
足三里にお灸をすると、血液中のヘモグロビン量が増えて、普通の治療と合せると、結核も2か月ほどで回復するとか。
お灸の効果すごいですね。

お灸は、お灸の熱で皮膚を刺激すると、体内にヒストトキシンという有害物質が発生し、
それを退治しようとする白血球などの免疫物質が増え、免疫機能が向上すると考えられているそうです。
お灸のメカニズムは、今回初めて知りました。
神経や血管が集まっているツボに鍼をさし、お灸の熱刺激でダブルの効果があるということですね。

 

昨年行ったお灸教室のお話はこちら

 

今回の番組は、西洋医学とは違う東洋医学が、どんな風に紹介されるのだろうと思いましたが、科学的な裏付けもあって、とても興味深い内容でした。 今まで、なんとなく身体に良いということは分かっていても、科学的にデータがあると分かりやすいですね。

次は太極拳を科学的に解明するなんて番組を作ってくれないかなと思います。

 

 

 

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